盗掘王 あらすじ 第1話~第7話

遺物「金の斧/銀の斧」編

第1話

盗掘王

ここはどこかの迷宮。ある男が大蛇の前でこんな目に合わせやがってと怒りをあらわにしている。
剛力遼河(ごうりき りょうが)38歳。この男がどこから間違えたのかと言うとそれは15年前にさかのぼる。2025年、地球のあちこちに墓が出現したのであった。大規模地震とともに出現した墓の中には「遺物」と呼ばれるものがいて、この「遺物」が世界を混乱に陥れた。神話・偉人・伝説・民話・大衆小説・・・古くから残された物語には力が込められていて、こういうものに登場するあらゆるものが「遺物」となった。遺物は所有者に異能力を与え、遺物を手に入れて人生が変わった者たちの話があちこちから聞こえた。人々は我先にと遺物を探し始めた。遼河も遅れてではあるが、苦労の末すごいものを手に入れた。「考古学者の遺物」【墓と遺物についての該博な知識を与える】これさえあれば、どん底人生に終止符を打ち新たな実力者として自分の存在を知らしめることができる。だが・・・一足遅かった。世界はすでに新たな秩序で堅固に構築されていた。先に異物を手に入れた者達によりほとんどが占有されそれ以外の人間は扱うことができない社会になっていた。そいつらの配下になるしか選択肢がなかった。遼河は発掘能力を認められ巨大企業TKBMにスカウトされた。大河原は発掘に関しサポートを惜しまないと約束した。その分仕事はきつく、手を汚すことも多かった。密輸に盗み、スパイそして盗掘。発掘に特化した能力を活かして接近が禁止された墓に侵入し隠された遺物をかっさらった。遼河が率いる盗掘団は輝かしい実績を誇っていた。数年後に大河原は、遼河たちが集めた遺物の力で世界最強の人物となった。大河原の躍進の影で、独占者にたかる蛆虫のようだと陰口をたたかれるが、この時代、そういう生き方も仕方がない。
しかし、このような結末は想定外だった。今回の任務は大河原の罠だった。遼河と盗掘団を始末するのが目的だった。目の前にいる大蛇は遼河の部下たちを全員食べてしまった。目の前の大蛇、大河原に対し罵声を浴びせ続けると、どこからか声が聞こえる。大蛇もその声に反応し、声のする方を探す。遼河が声の主に話しかけると、声の主は自分の声が聞こえていることに驚いている様子だった。遼河は声の主にここから出すように命令するが、すでに両足がない遼河がこの先、生きていけるわけもなく、能力を生かすこともできず死んでいくことを無様だと罵られる。それでも遼河は強い口調で反論する。声の主は、そんな遼河を面白く感じ、一度玉座について見ろと一羽のカラスが目の前に現れる。
まばゆい光に目をつむっていた遼河が、次に目を開けるとそこは警察署だった。何かのトラブルに巻き込まれているようだ。さらに、2025年1月1日までタイムスリップしていたのだった。混乱する遼河だったが、次第に状況を思い出していく。まだ世界が遺物について知らなかった平和な時代で、遼河は言いがかりをつけられ警察署に連行されていたのだった。警察に話しかけられるが、遼河の頭では、高性能な遺物がまだ墓の中にあるこの時代からなら自分が先に手に入れられる。墓についての知識や経験がそのままで15年前である2025年に戻ってこれた遼河は今の状況にワクワクするのであった。

第2話

遺物が出現してから、様々なことを経験しもう驚くことはないと思っていたが、今日は驚くことばかり起きている。
その1 発掘専門家の自分でも手に負えない墓がまだ存在したこと
その2 任務が大河原の罠だったこと
そして・・・死ぬはずだったのになぜか15年前に戻ってきたこと
どういうことかわからないが、とにかくこのチャンスを活かして、ほかの人より先に遺物を手に入れる決意を固める遼河だった。
そこにトラブルになった高校生の母親が言いがかりをつけてくる。示談金を払うか刑務所に入るか選べとわめいている。元々は高校生の方が先に言いがかかりをつけてきた。15年前には埒が明かないため、ひたすら謝り続けたが、軍資金も遺物も持っていないため、今回も八方塞がりだ。そんな遼河の態度に手を挙げる高校生の母親だったが、反射的に防ぐ遼河。どうやら体術的なものの技術も引き継がれた状態でタイムスリップしたようだ。今度は高校生が殴りかかってくるが、同様に防ぎ、反撃をする。さすがに警察官たちも黙っていなかった。
遺物が現れたら前科がついても意味がない時代が来る。それよりも遺物を発掘するための軍資金調達をどうするか留置場の中で考える遼河であった。その時、目の前に自分の名前が浮かび上がっていることに気づく。様々なゲームのような画面が目の前に現れる。カラスにもてあそばれていることが面白くないようで、画面を殴りつける遼河。もちろん手ごたえはない。
新規クエスト「盗掘や基本スキル4つの活性化」という画面が現れる。考古学者の遺物と同様のスキルも現在使えるため、少し面白くなってきた遼河。そこへ警察官で孤児だった遼河の面倒を見てくれている金光が遼河を迎えに来る。あの高校生は常習犯だったため、すぐに釈放されたのだった。遼河は金光に遺物に関する事件が起きていないかそれとなく聞いてみるが、空振りに終わる。
金光と別れ、軍資金調達の目途が立たず、途方に暮れながら帰路についていると、ガラの悪そうな連中に声を掛けられる遼河。しかし、連中を見て、軍資金調達の算段がついたようでにやつく遼河であった。

第3話

遼河に話しかけてきた新井という男は、暴力団出身の美術品ブローカーで姉と一緒に小さなギャラリーを運営する街のチンピラだ。高校時代にお金が必要になり新井のもとで働いていた。短期でやめる予定だったが、使い勝手がいい遼河を10年近くこき使っていた。遼河は絡んできた取り巻きを殴り飛ばし、支払いが滞っている給料と退職金を要求した。それに腹を立てた連中が殴りかかってくるがすべて返り討ちにする遼河。新井が遺物のナイフで襲い掛かってくるが、そのナイフを奪う。ナイフを使うと相手の身体が透けて見える。そのナイフを使って遼河が立ち上がって来た連中を切り裂いていく。傷は浅いが動揺する新井の取り巻き立ち。そして、再度お金を要求する遼河に従うのであった。新井が姉に事の顛末を話す。結局、遼河に有り金全部と遺物のナイフ、小さな仏像を持っていかれた。姉はその仏像だけは取り返すように弟たちに指示を出す。

第4話

翌日、遼河が仏像を売りに行くと、5000円にしかならなかった。新井の反応からするともう少し高価なものと踏んでいたが当てが外れたのだった。売らなかった仏像を眺めながめていると、念探スキルが発動する。仏像の中から怪しい物質を検知したようだ。振ってみると中には液体が入っているようだ。仏像を割ると中から液体型の麻薬が出てくる。遼河は金光に連絡をする。麻薬取引関連のタレコミの報奨金は最大1000万円。その金を軍資金に充てようと画策する遼河であった。
新井純は取引先と電話をしている。納品の遅れを伝えると相手に怒鳴られる。電話を切ると、そこに警察官に連行されてきた弟が現れる。倉庫に入っている美術品のすべてから麻薬が見つかったのだ。記憶力がいい遼河が倉庫で働いているときに、部屋ごとに違う暗証番号をすべて覚えていたため、難なく開けることができたのだった。
新井兄弟も逮捕され、軍資金も手に入った遼河は自宅へ向かっていた。しかし、自宅は大きな土の塊に覆われていた。

第5話

やじ馬たちの様子がおかしい。みんな感情が高ぶっているため、まともな思考が働いていない様子だ。墓にはそういった力があるらしい。自衛隊員から海外の専門家が対応するからしばらく近づけないことを聞く遼河。墓の近くではアメリカCIAのリンダが電話で誰かと話している。遺物の回収を指示されているようだ。そこに中国発掘団所属の劉が現れる。遺物をどちらが取るかでもめている。
墓の正体がしっかりと知られていなかった「兆候期」に先に動いたのが中国とアメリカだった。彼らは秘密裏に世界の遺物の調査と収集をしていた。
遼河はそんな2人を横目にこの墓の侵入に向けて先手を打つ。「トゥームグリフ」と呼ばれる文字が墓の近くには現れる。墓は自分のことをこの文字で書き記しているのだ。今回は童話の主人公らしい。墓の入り口から罠の位置まで記されたこの文字を読んでいると、遺物との会話が可能になる「言語学」の習得をシステムが知らせてきた。残りはあと2つ。
遼河が墓の入り口に到着した。さっそく遺物のナイフで入り口を攻撃する遼河であった。

第6話

遺物の入り口を攻撃すると大きな爆発音とともに赤い光の柱が立ち上る。リンダや劉も墓の入り口が開いたことを知る。すぐに墓の入り口を目指す2人。
先に墓の中に入った遼河は追手が来たことを知り、罠を発動させる。2人は大量の水に飲みこまれるのであった。その間に先へ進む遼河。大きな池が目の前に広がる。その池の中に遺物のナイフを投げ込むと大きな白蛇が口の中から金のナイフと銀のナイフを出し、どちらを落としたのか遼河にたずねる。この遺物は「ヘルメースと欲張りな木こり」というイソップ童話が原型だ。そのため、どちらも違うと答えれば、落としたナイフを含めてすべてもらえるということになる。しかし、遼河は自分のナイフか確認させてほしいと白蛇に言い、ナイフを手に取るとそのナイフで白蛇に切り掛かった。この遺物は持ち主を操り連続殺人期に仕立て上げるのだった。遺物が与える試練をクリアすればその主人となれる。これが「正常的」な関係なのだが、遺物の本性は人間を嫌悪し害悪を与えるものだった。遺物と接触する時間が長くなるほど病に侵される。それにより医療系の遺物を所有するものが強い権力を得ることになる。だから今回は「支配力」で屈服させることにした遼河であった。

第7話

遺物を扱うには「親和力」「支配力」「適合力」が必要だ。多くの人間は「親和力」によって友好的な関係を遺物と築くのだが、その代償は大きく、病気に蝕まれる。そのため、遼河は「支配力」のみで遺物を屈服させる方法を今回は選ぶ。白蛇を倒し、金の斧を手に入れると、墓発掘のスキルを習得した。これであと1つ。そして、今回の件で支配力が上がり、親和力が低下することになった。
そこへ、2人が到着する。劉がすぐさま持っている遺物を池に放り投げる。しかし、反応がない。劉は、預言の通りにやったのにと慌てる。今後の障害になりそうな2人ではあったが、遺物のナイフ「エジプトの葬儀師が宿ったナイフ」には使用可能回数があるため、不用意な戦闘は避けることにする。金の斧をかざし墓を閉じるよう命じる遼河。墓は消え、元の姿に戻る。
劉は電話で「未来記」の遺物使用者が若すぎて、読めない漢字が多いため、後から知った情報だったと知らされる。「未来記」の預言では「世界を呑み込む者」とでているから今後も警戒が必要だと聞かされる。
遼河は自宅でネットを見ていた。言語学スキルの力であらゆる言語で情報収集できることに便利さを感じている。遺物について、大河原についての情報を調べているがこれと言ったものはヒットしない。そこで新井一味のギャラリーを利用することにする遼河であった。