俺だけレベルアップな件第62話~第75話

A級ダンジョン編

第62話

ハンターの強さはランクで決まる。いくら技や体を鍛えてもランクによる差は埋められない。そして、収入の差も。
再審査を受ける水篠。測定をするが、何度やってもエラーとなる。どうやらランクがS級の場合は、エラー表示となるようだ。
監視課の犬飼が最上と立ち話をしている。突然帰って来た右京とレッドゲート事件の関係について話をしている。さらに架南島から流れ着いたと思われる羽のついたアリについて話をする。なにやら面白そうなにおいを感じ、水篠のいる建物へ移動する2人。
水篠は測定保留判定を受ける。3日後に再審査となるようだ。日本で10人目のS級ハンターにスカウトに来た人たちもざわつく。そこに最上が現れる。最上は日本一のハンタースギルドのギルドマスターで、水篠のあだ名の元である「最終兵器」と呼ばれる男だ。

第63話

最上は、火炎系魔法の頂点でアリ、その魔法1つで軽々ビルを吹き飛ばすことができる。最上が自己紹介をし、ギルドに勧誘しようとするが、急ぐのでとその場を後にする水篠。水篠は再審査までの3日で、やることが山積みのためそのことで頭がいっぱいのようだ。水篠がその場を後にしてすぐ、白川が到着する。お互い言葉は交わさないが、水篠スカウトに向けて闘志を燃やす。
その夜、母親の病室で水篠が考え事をしている。母親は「溺睡症」という、目を覚ますことがない不治の病に侵されている。悪魔の城ダンジョン攻略に向けてさらにレベルを上げないとと決意を新たにする水篠。病室を出ると、犬飼が立っていた。水篠に会いたがっている人がいるとのことだった。その相手は、ハンター協会会長の後藤だ。80過ぎてなおとてつもないオーラをまとっている。
後藤は、水篠をハンター協会に勧誘するために病院を訪れたのであった。ギルドとは違い、巨額の報酬は与えられないが、「別の力」を授けることができるとのことだった。

第63話

後藤は、水篠に「権力」を与えると話す。というのも現在の日本では、五大ギルドがかろうじてバランスを保っているのだが、水篠がどこかへ加わるとその微妙なバランスが大きく崩れてしまう。そのため、その均衡を保つためにも水篠には、ハンター協会に入って欲しいと説明する。後藤が一声かければどの世界でも出世街道をすすめる。しかし、協会に入れば高ランクのレイド参加が難しくなるため、水篠は戦っていたいからとその誘いを断るのであった。その姿を見て、後藤は、もう少し若ければともにレイドに参加したいと高鳴る鼓動を抑えられないでいた。
右京が目を覚ます。手足は骨折し、ベッドの上でかなりの治療を施されている状態だ。アメリカの副局長がミズシノは本当にモンスターなのか疑問に思い、目覚めた右京に確認をする。右京との闘いに巻き込まれた人々を助けたミズシノをモンスターだとは思えないとのことだったが、右京はどうしてもミズシノを殺したいため、モンスターだと言い張る。右京は戦いの終わり、ミズシノに日本へ来るなと脅される。屈辱的な大敗に腸が煮えくり返っている右京であった。

第65話

ハンターが装備するアイテムには、魔力後込められているため、D級が使用するものでも数十万する。水篠もハンターオークションサイトでアイテムを探している。悪魔の城ダンジョンは進めば進むほど、火属性の攻撃が増えてくるだけでなく、フィールド全体が燃えていたりするので、体を守る装備が必要だ。どのアイテムも現在の水篠の所持金では手を出せない。「貪欲な玉」を売ってお金を作ろうか考えている。しかし、現在、E級ハンターで、そこまで高ランクのダンジョンを攻略していないことになっているため、出どころなどを疑われる可能性が高い。そこで水篠は、A級ゲートに入った実績を手に入れるために、ハンタースギルドの採掘チームに入ることにする。
とあるA級ゲート前、水篠は採掘チームとして攻撃隊の帰りを待っていた。ゲートの中では、ハンタースのS級ハンター2人を含む攻撃隊が、ダンジョン攻略を進めていた。最上が炎の魔法を放つ。一瞬でダンジョン内にいるモンスターが焼かれる。跳ね返って来た炎を6人のタンカーが防ぐ。死骸も立派な戦利品となるため、火力調整をしているとのことだが、それでもすさまじい破壊力があった。ようやくゲートから攻撃隊が出てきた。水篠は気づかれないよう気配を消す。

第66話

最上を先頭に攻撃隊が出てくる。その中には副ギルドマスターの向坂がいた。水篠は向坂を見て、最上以上で後藤と同格だとその能力を分析する。向坂は一瞬、後藤並の強い気配感じるが、ハンカチで口をふさぐ。
ゲートに潜りギルドのダンジョン攻略のノウハウを学ぶ水篠。ボスはまだ生きている。その強さは、悪魔の城ダンジョンのヴォルカンやメトゥスの上をいく。改めてA級レイドを攻略できるギルドのすごさを知る水篠であった。昼休憩時に一人になるチャンスができると、大急ぎでボスの間に向かう。ボスを倒したらギルドに莫大な損害を与えてしまうため、倒さないようにと理性を保ちながらも、ボスの実力を知りたくて戦闘態勢に入る。その瞬間、向坂に呼び止められる。

第67話

持っていた武器を戻し、冷静になる水篠。道に迷ったと説明しその場を後にする。しかし、向坂に呼び止められ、匂いをかがれる水篠。どうやら向坂は、ハンターのニオイを感じることができるらしい。そのニオイが苦手でハンカチで鼻を覆っているのだが、水篠からはそれが感じられない。むしろいいニオイだと感じるほどだ。水篠はレッドゲートでバルカに言われたことを思い出す。自分がハンターではなくプレイヤーのためなのかと考える。プレイヤーとは何なのか疑問は深まるばかりだ。
水篠の活躍もあり、予定時間よりも早く採掘作業が終わる。その力を買われ、明日も採掘作業をしてほしいと頼まれる。ハンタースは二軍でもA級レイドを攻略できる力があるため、翌日にもダンジョン攻略がある。二軍のダンジョン攻略に興味をもった水篠は翌日も参加することにするのであった。
諸菱が従妹と酒を飲んでいる。水篠に連絡がつかず落ち込んでいる諸星に代わって水篠に電話をかける従妹。諸菱は父親と話したことについて相談したいと翌日の夜に約束を取り付ける。先程まで落ち込んでいたが、いつもの明るい諸菱に戻った。

第68話

向坂が水篠について調べるよう部下に指示を出す。ほかのギルドのスパイかと疑っているようだ。最上からも同様の指示をもらっていることを知り、水篠に興味がわく向坂。
翌日、水篠がA級ゲート前に到着する。採掘チームのメンバーに観月や馬淵の姿を重ねる水篠。ここの空気に懐かしさを感じる。攻撃隊の体調である外園が、荷物の運搬担当がいなくて困っていると、採掘チームにお願いに来た。採掘チームのメンバーが止めるが、ほかの攻撃隊のレイドを間近で見れるいい機会のため、水篠がその仕事を引き受ける。
ゲートをくぐるときにレッドゲート同様、またしても嫌な予感がするが、気にしないことにする水篠。モンスターの気配を感じる攻撃隊。何の指示もなく、各自が行動を開始する。

第69話

ダンジョンジャッカルの群れが襲い掛かってくる。各自が役割を果たしモンスターを難なく倒す。A級ダンジョンにC級のモンスターが現れたことに疑問を持つ攻撃隊。ダンジョンジャッカルの首には首輪の跡があった。猟犬を放って、侵入者を攻撃する知能を持ったモンスターがいることに、警戒する水篠。
次の瞬間、ハイオークの群れが現れる。ハイオークの1体が投げた槍で外園の盾にひびが入る。ハイオーク1体がA級ハンター並みの戦力をも持つ。相手の数はこちらよりも多く、さらにB級ハンターもいるので、戦力で負けている。このままでは全滅してしまう。そこで水篠がスキルなどを使い、隠れて援護する。

第70話

スキル:隠密を使うがハイオークに異変を感じ取られる。それでもその速度についてこれないようだ。水篠は深追いせず、サポートに徹する。なんとかハイオークの群れを死者を出すことなく倒す攻撃隊。
何か危ない気配を感じ、攻撃隊はダンジョン攻略を断念しゲートを出ようとする。しかし、ゲートには結界が張られていた。ダンジョンのボスが一瞬魔力を開放する。その魔力に一同は結界を解き、早く出ようとする。しかし、結界を解こうとしている魔法使いにだけ、呪いをかけられ、結界を解くことができない。ダンジョンの奥から、おびただしい数のハイオークが現れた。動揺が隠せない外園であった。

第71話

ハイオークの1体が外園に近づく。何やら呪文のようなものを唱え始める。次の瞬間、言葉を話し始めたのであった。オークの大呪術師カルガルガンが攻撃隊に会いたいと手下のハイオークの口を通して話しかける。選択肢は2つ。カルガルガンに会いに行くかこの場で殺されるか。選択の余地はなかった。外園は罠かもしれないが、カルガルガンに会うしかなかった。外園は攻撃隊で総攻撃を仕掛けているすきに、水篠にゲートを出てメインの攻撃隊に連絡してほしいと話す。A級ヒーラーが遺書を水篠に託す。攻撃隊のメンバーたちは覚悟を決めているようだ。まだ確かなことが言えないから預かることにするが、どこか余裕を感じられる。
ゲートの外には非番の向坂が水篠に会いに来ていた。ゲートの中に水篠がいることを知ると、武器がないのでツルハシを借りてゲートに侵入することにする。ボスの間にはボスをはじめ、数百のハイオークと側近4体が攻撃隊の到着を待ちわびていた。

第72話

いつでも総攻撃を仕掛けられるよう、攻撃隊が外園の指示を待つ。次の瞬間カルガルガンがオーラを放つ。その圧倒的な魔力に戦意を喪失させる攻撃隊のメンバー。カルガルガンがハイオークの群れに攻撃隊を殺させなかったのは、ただの余興のためだと話され、さらに絶望するメンバーたち。それでも外園は気力を振り絞り攻撃を仕掛ける。誰もついてこない。カルガルガンの守護魔法によりあっけなく吹き飛ばされる外園。さらに、半重力と重力加速魔法で地面と天井に交互にぶつけられる。その光景を涙を流しながら見つめることしかできない攻撃隊に代わり、救出する水篠。外園は瀕死状態だ。その外園に、攻撃隊の危機だから、ここにいるモンスターを全部倒していいかたずねる水篠。側近の1体がカルガルガンの指示のもと、水篠に襲い掛かる。水篠はスキル:支配者の手を使い、側近のオークを外園同様、地面と天井に交互にぶつけながら、再度外園に問いかける。悔しそうにお願いしますと返事をする外園。水篠は、外園からの許可も下りたので影の兵士を召喚する。

第73話

監視課の犬飼もゲート前に現れる。水篠が2日連続で採掘作業をしていることに疑問を持ってのことだった。S級は行動すべてが監視対象になるらしい。ゲートの中に向かおうとする犬飼が異様なオーラを感じ取る。再測定をするとダンジョンのランクはA級の中でもS級に近いレベルで会った。慌てて対処するためゲートの中に入る犬飼たちであった。
向坂も強い魔力を感じ取る。急いで救援に向かうのであった。
悪魔上で習得したスキル:君主の領域では、水篠の近くで戦う影の兵士の能力値が50%上昇するというものだ。影の兵士の力も格段に上がっている。水篠を含め、イグリット、アイアンなど影の兵士が総力戦でハイオークの群れと戦う。カルガルガンの攻撃などで影の兵士が倒され、魔力がどんどん減っていくが、回復薬と影の抽出により戦力の補強を重ねる水篠。その光景をみて、カルガルガンが何かを察するのであった。

第74話

何かを察するがノイズに邪魔されるカルガルガン。水篠に向けて側近を放つ。側近たちはイグリットとアイアン、タンクが始末する。こんなはずではと、カルガルガンが様々の魔法を唱える。攻撃隊もダメージを受ける。しかし、水篠のバフ:免疫の効果によりすべての状態異常が回復する。「貪欲な玉」を装備した魔法兵の一撃でカルガルガンのシールドを破壊する。
向坂がボスの間に到着する。召喚魔法が得意なハンターでも1~2体しか召喚ができないのに、数十体も召喚された兵士が戦っている光景が信じられ居ない様子だ。
カルガルガンはバフの効果により自らを強化する。巨大化したカルガルガンに神像を重ねる水篠。巨人には若干のトラウマがあるようだ。ここでマナが底をつく。ここからは水篠が反撃する。魔法系には暗殺系が有利に戦いを進められるので、戦いは一歩的な展開となる。

第75話

犬飼たちもボスの間に到着する。向坂同様、何が起きているのか理解できないでいる。
水篠の攻撃により地面に這いつくばるカルガルガン。自らの側近の影に取り囲まれ、無情にも倒されてしまう。残党狩りももうすぐ片が付く。水篠は戦利品についてはあきらめ、影の抽出だけする。カルガルガンは精鋭ナイト級とイグリットたちよりもランクが上だ。水篠は名前を覚えておらず、カルガルガンの影に「キバ」と名付ける。
犬飼が水篠に近づく。ここで向坂や犬飼たちがこの場にいることに気づく。言い訳を考えていたが、犬飼たちによって何事もなくゲートの外に出ることになる。