俺だけレベルアップな件第95話~第109話

架南島レイド編

第95話

関東レイド攻略に向けて、中国・台湾・架南島近海には大型の軍艦が多数集結している。日本の各ギルドもS級ハンターを除いた上ランクのハンターたちが守護班として各エリアに待機している。さらに、引退した者やハンターとして活動しなかったものまで参加し、日本にいる覚醒者の十分の一が参加している計算になる。
今回のアリ討伐には報道部のカメラマンも同行する。放送事故が起きないよう10分遅れで全国に生中継される。カメラマンはA級。自身の身くらいは守れるくらいに強い。日本の突入部隊はヘリで移動中だ。なんと美濃部も参加している。DFNのハンターたちも持ち場に到着したようだ。アリを巣からおびき出すために、4か所に分かれ魔力を開放するDFNのハンターたち。作戦開始とともにおびただしい数のアリが巣から出てくる。ヘリにも飛行できるアリが飛んでくる。そのアリたちは最上の放った炎により倒される。A級ダンジョンでもなかなか使わない高火力でないとアリたちは倒せない。この数年でかなりのレベルにまで進化を遂げているようだ。続けて地上のアリたちをせん滅する最上。ハンターたちの着陸スペースを確保する。DFNの囮も1時間が限度。1時間以内に日本のハンターたちはアリを倒さなければならない。みんな覚悟を決めてヘリから飛び降りる。

第96話

宇宙からアリたちの電波信号を妨害する電波を発動する。これで、女王の救援要請信号をキャッチできなくなる。
巣の外に出てきたアリたちは、レベルが低く、DFNのハンターたちに倒されていく。
架南山にあるアリの巣に到着する日本のハンターたち。出入口を最上が火炎の牢獄で封鎖する。これでB級以下のアリは出入りができなくなる。さらに、無数にあるアリの巣の入り口に火球を放ち、最短ルートを検索する。
一方、水篠はデイリークエストをこなしている。いつもより静かな公園。今日は架南島レイドの中継をみんなが見ているため、人が出歩いていない。
日本のハンターたしは、順調に巣を進行していく。進んでいくと産卵場に到着する一行。産卵場にはひときわ大きな割れた卵があった。動揺するが、女王アリ討伐に向けて、気を引き締め直す。
DFNのハンターたちは危なげなくアリを討伐していく。しかし、気が緩んでいたその時、ハンターの一人の首が消える。続けて2人も首が飛ぶ。一瞬の出来事だった。

第97話

女王の近衛隊は、s級並の力を持っている。しかし、攻撃パターンが単純なため連携を取って倒していく。女王の部屋までもう少しかかる。徐々に強くなっていくアリに対し、美濃部がみんなにバフをかける。力や素早さが格段に上がっていく。
DFNのメンバーが騒ぎ出す。連絡が取れなくなったチームのところへ急ぐ。到着するとそこには、血まみれの仲間の所持品が落ちていた。次の瞬間、禍々しい魔力の波長が辺りをつつむ。恐怖のあまり攻撃を仕掛けるが、駆け付けたチームも瞬殺される。
日本のハンターたちは、女王の間にたどり着いた。女王の近衛隊はS級並が、ここにいる戦力でなら十分勝てる。全員役割を果たそうと連携をとる。白川も「魔獣化」する。

第98話

視聴率が80%を超える。老夫婦がテレビ中継を見ている。近所からも時々、歓声が聞こえる。残すは女王アリのみ。
しかし、女王アリも必死に抵抗する。女王アリの攻撃で傷ついた仲間たちは、美濃部の回復呪文であっという間に治っていく。町田が攻撃を防ぎ、残りのメンバーが攻撃を加えていく。とうとう日本がS級ゲート制覇国に加わる時が来た。向坂の一撃で女王アリの頭部は切断される。死の間際、女王アリが叫ぶ。誰かを呼んでいるのではと妙な違和感を感じる白川。アリたちが巣に戻ってきていると連絡が入る。次の瞬間、凄まじい魔力の波長を感じるハンターたち。アリの王が姿を見せ、雄たけびを上げる。

第99話

アリの王を前にし、恐怖を感じるハンターたち。アリの王はゆっくりと歩き、女王の元へ向かう。アリの雄叫びに、ひざが崩れる。かろうじて立っている向坂の元へアリの王が素早く移動し、力任せに殴り飛ばす。町田は両腕をちぎり取られる。白川、最上も攻撃を仕掛けようとするが、その前に一撃を受け、その場に倒れこむ。黒須は距離を取って魔力の矢を放つが、アリの王につかまれ握りつぶされる。黒須も殴り飛ばされるが、すきをついて町田がアリの王を殴る。「隠密」に似たスキル:偽装を使い、隠れながら仲間の回復に努める美濃部。町田の攻撃は効かず、またもや行動不能になる。アリの王は回復魔法の魔力を探知し、美濃部に狙いを定める。美濃部は背後からの一撃で腹に穴が開く。

第100話

アリの王は、美濃部を捕食する。白川が飛びかかる。首をつかまれると人間の姿に戻る白川。アリの王は、捕食するだけで力と知識まで奪い取る。そのため、美濃部の声で白川に逃げてと語り掛ける。続けて、アリの王は女王がやられたから兵隊を倒しても浮かばれないため、ハンターたちの中の王を差し出せと白川に命令する。満身創痍な日本のハンターたち。その時、巣の外に何かを感じたようで、アリの王は飛び立って行った。白川はリューのもとへ行ったのではと考えるが、とにかく一刻も早く巣から出ようと傷ついた体で動こうとする。先程の女王アリの断末魔の叫びでアリたちが戻ってきてしまっている。白川以外は動くことすらできない。絶体絶命の日本のハンターたち。
リューたちが生き残ったDFNのハンターたちと合流しようと走っている。DFNのハンター協会会長と連絡を取り合うリュー。今回のレイドには「日本のS級全滅」という目的が隠されていた。DFN側の被害も大きいが、日本はそれ以上。予定通り事が進んでいるため、DFN側は撤退しようとするが、アリの王の奇襲を受ける。また一人やられる。仲間の一人を合流地点へと逃がし、リューがアリの王と戦うが、リューの力をもってしても一瞬で殺されてしまうのであった。
一方巣の中では、最上が孤軍奮闘しているがアリの勢いを止めきれず、白川たちは死を覚悟する。白川たちの影から水篠の影の兵士が出てくる。そして、スキル:影の交換を水篠が使用する。

第101話

アリの王の攻撃により日本のハンターがやられた。これ以上中継ができないが、視聴者からは苦情が殺到している。もうおしまいかとあきらめたその時、水篠の姿をカメラが捉える。すでに一度、放送を中断しているため、これ以上悪い状況になることはないと判断し、放送を再開する。報道も架南島レイド攻略も水篠にかかっている。
水篠は影の兵士を召喚し、アリたちを倒していく。さらに倒したアリの影を召喚する水篠に対し、初めて目にする町田やカメラマンは動揺している。影の兵士にアリとの交戦を任せ、水篠は回復薬を白川たちに飲ませる。しかし、向坂だけは意識が戻らない。向坂の治療のため、脱出を急ごうとするが、再びアリの王が現れる。アリの王と水篠が対峙する。

第102話

アリの王が奇声を上げるが、水篠は涼しい顔をしている。
美濃部の訃報と日本のハンターが致命傷を負っているという報道が日本国内に流れる。
DFNのハンター協会では会長のゲオにとって、リューの死や日本のハンターがまだ生きていることなど誤算が続く。
水篠が架南島レイドに現れたことが報道され、水篠を知る者たちは驚きを隠せない。後藤はその知らせを聞き、胸が高鳴る思いだ。
アリの王が水篠に一撃を加える。これまでにないほどの衝撃で、地面が割れる。しかし、水篠にはそこまでダメージを与えることができていない。水篠はスキル:支配者の手を使い、アリの王をひざまづかせる。そして、力任せに殴り飛ばす。魔法系ハンターの攻撃力に黒須や町田の開いた口が塞がらない。2人の殴り合いが続く。徐々に押され始めるアリの王。外殻にひびが入る。

第103話

水篠とアリの王が激しくぶつかり合う。アリの王は口から毒針を出す。水篠の頬をかすめる。かすり傷だけでも致死量に達する神経毒にうずくまる水篠。
一方架南島市街地。ルノーが震えながら壁にもたれかかっている。アリの王と対峙し、圧倒的な力の差を感じさせられた。カナはそんなルノーの姿に苛立つ。
アリの王が水篠に最後の一撃を仕掛けようとするが、水篠の反撃を受ける。バフの効果により解毒が完了したようだ。向坂の容態は悪化していっている。一刻も早く戦いを終わらせようと焦る水篠。アリの王は自分の最大の長所であるスピードに身体を変形させ攻撃を仕掛ける。しかし、そのスピードも水篠に歯が立たない。スキル:急所突きでさらにダメージを与える。戦いの最中だが、スキルが最終形態の乱刀にグレードアップする。スキル:乱刀でアリの王を乱れ切る。アリの王の片腕が飛ぶ。個々の能力では勝てないと判断したアリの王は仲間を呼ぶ。数百のアリが水篠に襲い掛かる。水篠は影の兵士で応戦する。

第104話

影の兵士は、アリを撃退していく。その光景を見ながら、自分より強い存在の水篠を前にし、生き残るために逃亡することを選択する。しかし、水篠から逃げられず、倒されてしまう。向坂の容態がさらに悪化する。今からヒーラーのいる場所まで運ぶ時間すらない状態。水篠はカメラマンにカメラを止めるよう指示する。そして、影の兵士に美濃部の遺体を探させる。水篠が美濃部の影を抽出する。白川が水篠の肩をつかむ。どうやら水篠の能力に気づいたようだ。

第105話

ほかのハンターたちも水篠の行動を見て、能力に感づく。何も指示されてないのに、影の兵士になった美濃部は向坂のもとに向かい、回復魔法をかける。その様子を見て生前の美濃部の人柄を察する水篠。白川は水篠に美濃部を戦場に連れて行かないでほしいとお願いをする。その考えに共感し、抽出を解除する水篠。影となった美濃部と白川が微笑み合う。白川は、美濃部を開放したことに対して水篠に感謝する。
巣の外に救助用のヘリが到着する。水篠は、その場に残る。そして、アリの王の影の抽出に向かう。
アメリカのハンター管理局局長がデイビットとマイケルが、国交に係る重大な問題にも発展する可能性はあるが、水篠獲得に向けて動き出す。
アリの王の影を抽出する水篠。いつもと辺りの様子が異なるが無事抽出が完了する。水篠の前でひざまづくアリの王。


第106話

アリの王の等級は将軍級。ほかの影の兵士とは違い、言葉を話せる。水篠の力で生まれ変わり、そのことに歓喜し忠誠を誓う影の兵士になったアリの王。水篠はアリの王に「ベル」と名付ける。名付け終わると、女王アリの影の抽出に取り掛かる。同じく将軍級なのだが、産卵に力を取られるためそこまで魔力が高くないこと、影の状態では産卵ができないこと、女王アリの能力でほかのアリに影響を及ぼすことから、抽出を解除する。まだ4000近くいるアリの残党を、ベルに討伐するよう指示を出す水篠。
そのころ各地ではアリの残党狩りをしていた。馬淵たち無所属のハンターたちのもとにもアリが押し寄せるが、超高速でベルがアリの残党たちを倒していく。

第107話

あれから2日間アリとの闘いが続いた。その間に、中国の領海にも姿を現していた。一人の男が甲板に姿を現す。その男が持っていた刀を一振りすると何10匹ものアリが一瞬で倒される。
水篠がアリの王と戦っている様子をテレビで見ている、トーマス。ローラに右京と水篠が衝突したらどうするのか尋ねられるが、不敵な笑みを浮かべ、スカベンジャーの財産である右京を狙うなら水篠を許さないと話した。
架南島レイド3日目の夜、騎士団と自衛隊が魔法石の回収のため、架南島に上陸する。そこに謎の男たちが現れる。男たちによって一瞬で気絶するハンターたち。男たちの目的は、誰かを「狩る」ことらしい。素性も今のところ分からない2人は、自らワープゲートを出現させ消えていく。

第108話

喪服を着た水篠が架南島レイドで殉職した者たちの慰霊碑に花を置く。水篠に対し、賛否の声があがった。はじめから参加していれば犠牲者がもっと少なかったのではと。それでもこれまで4度行われた架南島レイドで一番死傷者が少なかった。白川は、友を失ったが水篠にねぎらいの言葉をかける。
慰霊碑から少し離れたところで後藤と話す水篠。水篠がギルドを作ることや騎士団が結界らしきもので気を失っていたことなどを話す。客が予定より早く到着したとのことで、その場を後にする後藤。水篠も帰ろうとするが、アメリカのハンター管理局のアダムが話しかけてくる。いい話があるから副局長に会ってほしいと伝えるが、その場を後にしようとする水篠。すかさず、アダムはアップグレーダー「覚醒者の力をアップさせられる覚醒者」の存在を話す。
水篠はとあるホテルに案内される。そこで副局長のマイケルに会う。アメリカへの移民を条件に出すマイケル。そこへアップグレーダーのセルナが姿を現す。

第109話 最新話

世界で唯一覚醒者の力を限界値以上に引き上げることができる覚醒者であるセルナが強制的再覚醒について話す。3つの段階に分けて限界点を高められ、最低でも2割ほど強くなれること、能力の関係で年に3,4人しか能力を高められないこと聞かされる水篠。右京がアメリカに渡った理由がこれでわかったようだ。「贈り物」として1つ目の限界点の解除をすると伝えるマイケル。限界点の解除を一度味わうとしがみつかずにはいられなくなると自信を持つマイケル。セルナが水篠の手をとり、限界点の解除をおこなう。
セルナは水篠の心の中に入り込む。真っ暗な闇の中、鋭い眼光でセルナを見つめる水篠。
その瞬間セルナが叫ぶ。銃を構える護衛たち。マイケルは銃を下すようどなり、水篠に謝罪する。セルナは怯えている。水篠にまた後日連絡すると言い、アダムに水篠を送るよう指示を出す。水篠の中に存在する果てしない闇に怯えるセルナが水篠は限界点がない、この上なく強い王だとマイケルに話す。