俺だけレベルアップな件第18話~第24話

C級ゲート攻略編

第18話 第19話 第20話 第21話 第22話 第23話 第24話 

第18話

デイリークエストを続けた効果で、身体つきは以前とは比べ物にならない。ステータスが身体に影響を与えているようだ。筋トレをしている中、看護師が病室に入ってくる。持ってきたスマホを見せられて、連絡先を教えてほしいと水篠はお願いされる。水篠は、退院後に検査結果でも送ってくれるのかと、状況を理解していない様子だった。

無事退院できた水篠。妹の葵にも身長が伸びたことや筋肉がついたことを指摘される。妹に傘を持たせ、投稿する葵の見送りが済んで、ふとステータスを眺める水篠。筋肉に偏りがあるため、このままいくとボディービルダーのようになるのか・・・?いくら強力なダメージを与えることができても命中しなければ意味がない。その逆もしかり。体力や速度、感覚もバランスよく上げようと考える。知能は魔法に関係がありそうだが、現段階では必要性を感じていない。結局、速度を中心にステータスを上げていくとにする。

大家から家賃の催促の電話がかかってくる。厳しいようならしばらく待つと言われるが、すぐに振り込むと返事をする水篠。「覚醒後の覚醒」。自身の身に起きていることが再覚醒なら、上級ハンターになれる日もそう遠くない。家賃くらい一瞬で稼げるようになる。ランクが高いとそれだけ多くの収入を得られるハンターという職業。ランクの高いモンスターを倒すには、それだけ難易度の高いゲートに行かなけらばならない。出現頻度の高いD、E級のゲートですら低級ハンターの数が多く、競争率が高い。そのため、E級ハンターはギルドに入れてもらえないだけでなく、レイドに参加するのも一苦労なのだ。水篠は以前より強くなっている。ただ、今の状態で世間にレベルが上がるハンターだと知れ渡ると、ほかのハンターから狙われる可能性がある。再覚醒だと確信できるまで慎重に行動することにする。
取り急ぎ収入が必要なので、右京隼人率いるチームの数合わせとしてC級ダンジョン攻略に参加することにする。

右京は自己紹介をして水篠と握手する。E級ですっけ?と確認すると、仲間が笑い出す。史上最弱兵器で有名な人だと。おいおいやめろと仲間をたしなめる。大丈夫、数合わせの動向だからと、水篠の肩に手を置きながら話す右京。C級ゲートには最低でも10人が必要で半数以上がC級でなければならないという規則がある。そのため、このような数合わせの募集がある。報酬は20万。契約書にサインする水篠。右京率の攻撃隊は、C級が5人とD級以下が4人。もう1人諸菱賢太というD級が数合わせで参加していた。

諸菱の装備は豪華で金持ちであることは明らかであった。水篠は戦闘要員ではなく荷物運びが今回の仕事となる。個人の攻撃隊がヒーラーを呼ぶのが難しいため、ヒーラーがいない。攻撃隊のメンバーが、どうせ戦うのは自分たちだし、説明なんてテキトーでいい、早く行こうと声をかける。パーティーにヒーラーがいないことが気になりつつもダンジョンに潜入する。諸菱は、そんな水篠に自分が守ってあげると爽やかな笑顔を見せる。

第19話

ゲートまでの道中、近頃景気が悪くて、工事が中断されてからそんなに経っていないと、辺りを見渡しながら話す。諸菱が、2月前に社長が900億もって海外に逃げて、従業員と投資者が嘆いていると水篠に話す。それをなぜ自分に話すんだと、興味もない話を聞きながらそう思う水篠。大きな荷物を持っているが、筋力を上げてきたから、まだ余裕がある。諸菱は続けて、水篠に口数が少ないと指摘する。水篠は、諸菱が多いだけではと返す。諸菱は、今まで人の顔色を伺ったことなくてと金持オーラ全開で水篠に話す。そうこうしているうちにゲート前に到着する。諸菱がゲートの大きさに驚く。ゲートの大きさは関係なく、その中から流れてくる魔力波動の数値が重要だと水篠が話す。C級以下はそこまで危険ではないと付け足すが、自身も初のC級レイドとなるので、やや緊張しているようだ。諸菱の装備をあらためてみると、D級のくせに立派な防具を持っている。それに個人の攻撃隊なのにみんなもちゃんと装備を整えている。
右京を先頭にゲートの中に入るパーティー。ダンジョンの中は真っ暗だ。右京の指示でコージが魔法で明かりをつける。ダンジョンは通常、夜光石がついているのだが今回はそれがない。諸菱に話しかけられるが、静かにするよう話す水篠。知性のあるモンスターでは、暗闇では生活できない。視覚に頼らず生きていて、暗闇の中で群れをなして行動し光を見ると駆け寄ってくる生き物・・・。水篠はダンジョンのモンスターが昆虫タイプのモンスターだと気付く。攻撃隊が戦闘態勢をとる。水篠が上からだと叫ぶ。ダンジョンに空いている穴からアリ型のモンスターが飛び出してくる。右京がモンスターの気を引く。そのすきにメンバーが攻撃する。隙のない連係プレーにさすがだと感じる水篠。ヒーラーなしで攻撃隊を組む理由がわかった。諸菱も装備で実力を補ってはいるものの善戦している。近くにやって来たアリを蹴り飛ばしながら、みんなうまくやっているがもどかしさを感じる水篠であった。

戦いがひと段落し、右京からなぜわかったのか尋ねられ、水篠は勘だと答える。さらに右京に勘が鋭すぎても困ると意味深げな言葉をかけられる。アリの傷口からさらに強いモンスターがいることがわかる。その場の空気が変化する。諸菱に装備品がそれなりの金額しただろうとたずねる。父親が初めてのレイドだからと買ってくれたと話す。水篠は諸菱に、うまく説明できないが気をつけるよう告げる。何か不吉な予感がする水篠であった。

第20話

ダンジョンの広さはランクと関係ない。内部の把握だけで数日かかることもあるし、数時間足らずでボスの部屋に着くこともある。今回のダンジョンは敵が少ないが迷路のように複雑なつくりで移動に時間を費やしている。今回水篠は、荷物運び担当。よほどのことがない限り戦いには参戦しなくていい。戦いもせずに報酬をもらえるなんて、悪くないと思った。ふと頭に浮かんだ警告。「トカゲ」にはきをつけろ。水篠の嫌な予感は、外れたことがない。ずっと違和感を感じつつも同行する。

アリの死骸がやたら増えてくる。右京は、結構歩いたのに無傷のモンスターをまだ1匹も見ていないと不思議に感じる。さらに先へと進む。右京がコージにここを照らすよう指示を出す。コージの魔法で照らされた先には、クモの糸で巻き付けられたアリがいた。どうやらボスはクモ型のようだ。

ボスの間に着くと大量のマナ石があった。モンスターから出てくる魔法石より魔力が弱いからさほど値がつかないが、金額にして1億以上ありそうだ。右京の弟はアメリカでハンターをしている。ハンターとしてのランクが高いからと、隼人は弟に見下されていたようだ。マナ石を見つめながら、金で国を捨ててアメリカに渡った弟を見返してやると誓う右京であった。攻撃隊のメンバーが9等分しても1千万ずつはありそうだと話す。諸菱が水篠に契約書を見せるようお願いする。その契約書を見ると、狩りから得られる魔法石の分配にしか触れられておらず、マナ石の分配に水篠を入れるよう右京に話をする。その話に一瞬空気が変わるが、笑顔で公平に分けようと返す右京。

ダンジョンのボスは大型のクモ。今は寝ているようだ。右京がメンバーに採掘装備の確認をすると、C級だからマナ石が出てくるとは思わず置いてきたと話す。そのやりとりを黙って見つめる水篠。採掘道具を取りに行くと水篠と諸菱をボスの間に待機するよう指示する。諸菱がボスの部屋なのに2人だけなのかと質問すると、右京が、一定の領域内に入らない限り先制攻撃してくるタイプじゃなさそうだし、腹がいっぱいなのかよく眠っているから刺激さえしなければ起きないだろうと話す。自分を信じるようにと2人に笑顔で話す右京に対し、不安感がつのる諸菱。メンバーに話したいこともあると言い残し、右京たちは一度ゲートの外へ戻る。2人を除けば攻撃隊は8人。いつもヒーラーがいないという話から、C級ゲートは何度も経験済みだ。普段から数合わせに使っている人間がいるのではと考える水篠。不安そうな諸菱に対して、警戒する水篠。右京の指示でボスの間の入り口がふさがれる。水篠の嫌な予感が的中した。やはり右京たちは「トカゲ」だった。

第21話

たまにトカゲみたいな野郎がいる。危険な仕事だから事故なんて日常茶飯事。ところがいざ事故が起こっても世間に知れ渡ることがないから、犯罪を犯してもバレない。ダンジョンの中には、防犯カメラもないためハンターの犯罪を取り締まるのは無理に等しい。弱いと簡単に見捨てられ、強ければ強いほど己の力に酔う。不要だったり邪魔になれば、まるでトカゲがしっぽを切り落とし逃げるかのように仲間を捨てるのさ。そんなことを昔、ハンターに言われたこと水篠は思い出す。

あいつらに裏切られた。これっぽっちのマナ石のために自分たちを殺そうとするなんてと悔しがる諸菱。どう転がってもハメられていた。右京たちの罠にかかったのは、ここに来ることを決めた瞬間なのだから。諸菱がみんなで一度戻ることを提案した時、ヘタに動けばすぐさま殺す勢いだった。右京にあまり勘が鋭すぎても困ると言われたことは、こういうことだったのかと水篠がふりかえる。光の魔法を使うC級ハンターに、出入口はしっかりと塞がれている。今の水篠の力なら、ここを出ることは問題ないが、先程の衝撃でボスが目を覚ましてしまった。問題はボスの方だ。
右京たちはゲートの外で今後の作戦を練っている。右京にこんな面倒なことをする必要があったのか、あそこで殺してしまえば・・・。と攻撃隊のメンバーが話す。あそこで揉めてクモが起きたらマナ石が運べない、さらに最弱兵器の弱いE級とレイド経験ゼロのD級ならボスを倒せないから、クモがあの2人を食べて寝てる隙にマナ石を運び出すと話す。それが無理なら諸菱の装備品だけでも数千万するから、マナ石がダメなら諸菱の遺品で満足しようと話しながら、どこのボンボンなのかスマホで調べだす。コージがすごい音を立てて壁が崩れたから今頃、ボスが部ちぎれてる頃だろうと話す。スマホをいじりながら、コージにあのデカいのを1人で倒す自信はあるかたずねる右京。コージは、あるわけないと即答する。右京も正直自分もだと返す。つまり、あの2人では、どう足掻いても生き残れないと付け足す。

水篠に自分が何とかするから下がっていてと指示を出す諸菱。無数にある目、グロテスクな口、家ほどある巨大な体、長く伸びた脚。強さの次元が違う・・・と感じるほどのオーラをボスが放っているが、二重ダンジョンのことを思い出す水篠は、逆に諸菱に動かないよう指示する。あいつは自分が殺ると言い、短剣をインベントリから取り出す。聞き返す諸菱に、自分が倒すと話す水篠。あれを倒すなんて、C級のボスを1人で倒すにはB級かC級の上くらいの力がないと無理で、水篠では到底・・・いっそ逃げ道を探そうと話す諸菱。再覚醒だとしてもまだ弱いため、諸菱の言う通りだが、挫折しそうなほどの圧力を感じない、少なくともカサカやゲートの外に出てきていたボスよりも圧倒的に強いのだが、C級レベルのボスの前でも委縮しないほどに強くなっていた。ボスが襲ってくる。水篠も短剣出応戦する。諸菱があれがE級の戦い?と驚きの表情を浮かべるのであった。

第22話

素早い動きで攻撃するが、表皮が硬くなかなかダメージを与えられない。クモの脚は8本。地面や岩肌も軽々と貫く破壊力。一発でも喰らえば死んでしまう。水篠の素早い身のこなしを見て、諸菱はランクを低くごまかしている不正登録者だと誤解する。ごく稀に魔力をコントロールできるハンターがいる。その気になれば、測定時にランクを低く出すことだって可能だ。魔力の一部を隠し、自身の持つランクより低いランクで判定を受けたハンターを「不正登録者」と呼ぶ。問題は・・・不正登録者の多くが虐殺を趣味にする異常者だということだ。なんでこんなとこに来てしまったんだと後悔する諸菱。

相手の攻撃を受けたら一撃でも致命傷になるため、激しく動き続ける水篠。ダメージをほとんど与えていないのに、疲労度がどんどん上がっていく。疲労度が高くなるほど、速度が落ちる。決着を急ぐ水篠は、短剣の特殊能力を発動させようとする。短剣には、一定の確率で動きを封じられる「麻痺」と1秒ごとに1%ずつ体力を減少させる「出血」という効果がある。生き物の弱点である頭部、その中でも1番弱い目を狙う水篠。頭部に近づくとボスは酸を吐いた。もう少しで溶かされるところだった水篠。もっと速く動いて距離縮めるため、移動速度が30%上がるスキルの「疾走」を使う。それでも致命傷を与えらず、疲労度がたまっていく。たまたまデイリークエストの報酬をもらっていなかったため、状態回復ができる。状態回復をする水篠。そのおかげで弱点である目を中心とした頭部に攻撃を加えることができ、カサカの短剣の効果も発動する。

デイリークエストの報酬をもらうのを後回しにしていたため、なんとかボスを倒すことができた。水篠の異常すぎる戦闘力に不正登録者だと確信し、怯える諸菱。水を渡したり、マナ石を掘ったりと、水篠の後家減を伺う。水篠は事情が呑み込めていない様子だった。入り口をふさいでいた瓦礫が爆発する。右京たちが戻って来たのだった。

第23話

2人が生きていることに驚く右京たち。諸菱がボスを倒したのだと勘違いしているようだ。特殊効果がかかっていそうな装備を持っている諸菱を敵に回すと厄介そうなため、右京は諸菱に水篠を殺すか2人とも殺されるか選ぶよう脅迫する。

どうやら諸菱を共犯にして、それをネタに諸菱建設会長の父親をゆする気のようだ。水篠は諸菱に、弱いから裏切られるだけだと冷静に言う。諸菱は水篠とともに右京たちと戦うことを選ぶ。右京が人を殺したことがあるかと問いかけ、2人を殺そうとする。その時、緊急クエストが発生する。プレイヤーに敵意を持つものが現れたため、全員を倒さないと自分が死ぬことになる。

コージの魔法が水篠に直撃する。水篠はここが危険な場所なんだと再認識し、強い自分を求めるシステムとそのシステムを利用し強くなりたい水篠の利害関係を確認する。システムが水篠に殺人を強要する。腕が落ちた、手加減するななど攻撃隊メンバーがコージを茶化す。ハハッと笑うが本当は手加減などせず全力で殺しにかかっていたコージ。水篠が立ち上がり、右京たちの元へ歩いていく。人の命を奪おうとしたのだから、それなりの覚悟はできてるよなと問いかける。攻撃隊のメンバーの1人が不用意に近づく。

水篠は甘さを捨て、近づいてきた右京のチームメンバーの首を持っている短剣で切り裂く。その光景に動揺する右京たちであった。

第24話

右京たちが慌てる。油断していたとしてもD級のハンターがE級にやられたのだから。人を初めて殺してしまったが、甘さを捨てないと二重ダンジョンの時のように裏切られる。再度、コージが魔法を放つ。それをかわし、水篠が短剣を振る。次々に攻撃隊のメンバーがやられていく。

死ななかった者たちもカサカの短剣の効果で、麻痺や出血を起こす。右京たちを敵だと認識し、1人ずつ倒していく水篠。右京だけが残った。右京は自身を強化し水篠に襲い掛かるが、水篠に一撃で倒される。

命乞いをする右京だが、水篠は躊躇せず右京の首を撥ねる。諸菱はその様子をみて嘔吐する。ボスを倒したため、ダンジョンが閉じかけようとしている。急いで出る2人であった。
一方そのころアメリカでは、なぜ流れているかわからない涙をぬぐう男の後ろ姿が・・・。

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